アドラー心理学の重要事項は目的論(トラウマの否定)と課題の分離
アドラー心理学のなかでも、目的論(トラウマの否定)、課題の分離はとても重要です。
知っておくだけで人生をより良く送ることができます。
目的論(トラウマの否定)
アドラーはトラウマを否定し、人間は目的のためのみに行動するべきだと説いています。
過去のトラウマにこだわっていたら、新しい行動を起こせないし、挑戦もできない。
アドラーが原因論ではなく目的論を主張しているのはこのためです。
例えば、過去のトラウマにこだわると、このようなことが起こります。
- 飛行機事故の映像を見た。だから海外旅行に行けない。
- 酷い失恋をした。だから恋人を作らない。
- 人に裏切られた。だから他人とは距離を置く。
アドラーは決してトラウマの存在自体を否定しているわけではありません。
トラウマに縛られることで、未来への道が閉ざされてしまうことを否定しています。
上記、3例はいずれも本人にとって耐え難いことでしょう。
しかしながら、そこに囚われていては、いつまでも挑戦できません。
そこで目的論です。
過去に目を向けず、なぜ行動するのか、その目的に注目します。
すると上記3例は、次のように置き換えることができます。
- 語学を学びたい。だから海外旅行に行く。
- 幸せな家庭を築きたいたい。だから恋人を作る。
- 事業で成功したい。だから人とコミュニケーションを取る。
いずれも目的が行動する理由となっています。
かくいう私も、小学生の国語の成績は散々でしたが、アドラーの目的論を多くの人に伝えたくて、こうして拙い文章ながら記事を書いています。
挑戦することに過去は関係ありません。
目的を重視して、前向きに人生を送りましょう。
課題の分離
アドラーは、自分と他人の課題は分離をすべきであり、他人の領域に安易に入り込むべきでないと説いています。
人間は他人をコントロールすることは難しい。でも自分をコントロールすることは簡単です。
相手を気にして、自分のやりたいことを抑えたりしていませんか。
例えば、このようなことが起こります。
- 飲食店の閉店間際に注文して、店員さんが大変かもしれない。遠慮しておこう。
- 今度受ける試験はどんな問題が出るのだろう。不安で仕方ない。
- 周りは自分の失敗を願っているに違いない。気になって自分の力が発揮できない。
他人の感情も行動もコントロールできません。
自分ができることをしましょう。
「それは相手の課題だ」と割り切ることも大切です。
それが分かれば、上記の例は次のように置き換えることができます。
- お店の閉店間際のことはあくまでお店側の課題だ。遠慮なく注文しよう。都合が悪いなら相手は断るはずだ。
- どんな問題が出ようが関係ない。自分は合格するだけの力を身につけるだけだ。
- 周りがどう思っていようが関係ない。自分の力を見せつけて黙らせれば良い。
他人の状況や心情を考えすぎてはいけません。
自分と他人の課題を分離することで、自分のしたいことやするべきことに集中できます。
責務がはっきりすることで、お互い干渉せずに行動を起こせます。
アドラー心理学は奥が深く、とても全てを理解することはできないかもしれません。
しかし、ここに紹介した「目的論」と「課題の分離」だけでも理解していれば、人生に大いに役立たせることができるでしょう。
賢人の知恵を借りて、賢く生きましょう。
他にもアドラーは大切なことをたくさん伝えています。
それを知るためにおすすめの本はこちらです。
とても分かりやすく、アドラーの教えがまとめられています。図解入りで読みやすいです。